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ウェブアルバムのPicasaで実施を記録した写真を公開します。
以前はYahoo!Photoで公開していましたが
Macからの操作に問題が多くて管理しきれなくなり中止していました。
Picasaはgoogleの提供しているサービスです。
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 「20世紀の夢 モダン・デザイン再訪 大阪コレクションズ」の展示会場では
バウハウスと北欧関連の間にリートフェルトさんが並んでいました。
展示されていたリートフェルトさんの家具は、レッドアンドブルーチアーのバリエーションが4種類、角棒組の肘付き椅子、ジグザグチアー、ベルリンチアー、ミリタリーチアーが2種類、イエローボーイズ&ホワイトガールズ、あとは収納家具2点です。

 レッドアンドブルーチアーはフレームが角棒組のものが3種類と丸棒組です。
図面集を見ていて気になったのはフレームと背・座面との取り付け方でした。
固定方法は図面には書かれず製作手順にビス留めとされています。
厚板を角棒の角に当てるだけでビス留めとは?
 そこで展示されている角材フレーム3種類を見比べてみました。
1918年に作られたものは背も座もビス留めでした。
1921年に作られたものは背をビス留めしていましたが座はダボで留められていました。
1950年頃に作られたものは背はL型の金物を使って留めて、座面はビス留めでした。
またフレーム接合部のダボも
1918年・1921年のものは明らかに表から打ってあります。
1950年のものは材の中で納めてあるようでした。
 資料などを見てもレッドアンドブルーチアーは作られた時期によって部材の大きさとか全体の大きさが違う(作る度に改良されていたのでしょうか)ようですし、展示されている1918年のものは女性用として若干小さく作られています。
カッシーナで再生産されたのは1971年で、これもまた展示されていた3種類とは取り付け方が異なるようです。
 フレームが丸棒のものの座面は合板でフレームはボルトで締められていました。
角がないので部材同士の角度が定まらず、結合強度を上げることで対策したように見えました。ボルト穴の精度管理が大変そうです。

 角棒組の肘付き椅子は1955年に作られたもので1000 chairsに掲載されている個体に見えました。
座面は左右2枚を矧いであります。
また部材同士を留める15Φほどのダボは見える方から打たれています。
厚めの塗装なのに各部材の裏面は塗られていませんでした。
湿度の低いヨーロッパでは片面塗装でも木は反らないのでしょうか??
ダンボール模型の組み上がりから想像するよりも構造的な強度は高そうでした。

 ジグザグチアーは1938年のもので、座面先端と脚部底板との接合は両頭のビス留め、背はボルト引き留めされていました。
シュローダー邸に展示されていたジグザクチアーには背のボルト引きがありません。
引きボルトは初期のスケッチにもありませんので後に改良されたのでしょう。
カッシーナで再生産されているものは、これらとも接合方法が違って表からは接合金物が見えません。

 ベルリンチアーは1960年頃のものでした。
ダンボール模型に色を塗ったら、こうなるだろうという佇まいでした。
立体構成として見事だと思いました。

 ミリタリーチアーは1923年頃の椅子とスツールの2種類でした。
角棒材組の肘付き椅子と同様に厚い塗装がされています。
脚と座面をボルトで取り付けてから全体塗装されているようでした。
 この椅子のダンボール模型を作ったときは、スツールの図面を元にして写真を参考に椅子へ変更しました。
思い出しながら実物と比べてみると、模型の方が背の取り付け高さが少し高く、背の幅は後脚フレームの外幅とほぼ同じが正解でした。そのため、幅がないので背が高く見える感じは少し和らいでいました。
ちょっとスタルクさんのラ・マリーに似たバランスの椅子でした。

 イエローボーイズ&ホワイトガールズは両端の丸い板材を組み合わせた子供椅子です。
ダンボール模型で座面が曲げ合板・脚部が両端の丸い板材の椅子をつくりましたが、それの発展型ですね。

 図面を元にして作ったことのある家具の実物を見たことで、疑問に思ったり上手くいかなかった部分を実際にどうやって作っていたかを確認することと、試行錯誤の経緯を伺い知れること、は面白いですね。
工業生産を前提にしているバウハウスの家具と、リートフェルトさんの「最小の材料で簡単に製作できる家具」の考え方の違いもよくわかりました。
一般向けの家具の組み立てキット(CREATE FURNITURE)を提供できたのは、リートフェルトさんならではだと思いました。

ある朝、状況はテンパっていたが
えいっっと出かける。
深い霧の中をバスは走る。
PICT0586.jpg

朝寝すること4時間。
バスは終点のバス停に辿り着いた。
隣の高架駅で地下鉄に乗りかえる。
PICT0588.jpg

2駅で下りて歩くこと5分。
コーヒーメーカーみたいな建物に着いた。
PICT0591.jpg

ホールにスタルクさんの椅子が並んでいる。
PICT0590.jpg

腰を下ろして一息入れて
じゃあ、いってみましょうか。


あくまでボリューム模型としての精度で、と前置きしておきます。

丸テーブルの天板などは普通にLカッターで切っています。
大きな円の作図は
・薄くて固い紙で短冊をつくる
・半径の長さで2カ所に押しピンで穴をあける
・片方の穴に押しピン、もう片方にシャープペンシルを刺す
・作図センター位置を決めて短冊の押しピンを刺す
・押しピンを押さえながらシャープペンシルで円を書く
といった精度で十分です。
CADで製図するときに
円のオブジェクトは細かい直線で構成されているのを思い浮かべて頂いて
直線切りのLカッターをサクサクと短く使って切って行きます。
同じ形の部品を同じ人が続けて切れば
作業精度も同じなので
ほぼ同じ丸に切り抜けているはずです。

小さい円は失敗が目立ち易いので
サークルカッターを使った方が綺麗に仕上がります。
スチレンボードを切るような小振りのもので
表面だけ綺麗に切ってからLカッターで辿れば十分でしょう。

つかったダンボール板はK6仕様 ダブル8mmで
一般的なダンボール箱の材料としては強度の高いものです。
いわゆる強化ダンボールではありません。

組み立てキットの製作時間は
1点あたり平均2時間(部品の原寸作図・切り出し・積層接着)
2mのテーブルは部品枚数も多くて3時間強でした。
初めて作られる
特にCAD製図で育った方が精度を上げて作るには
それ以上の時間がかかると思います。
組み立ては最短で30分程度なのでちょっと寂しいです。

組み立てにおける最大のハードルは
4本脚の家具をちゃんと4本接地して自立させる
という点なのは本物と同じです。
ただダンボールは全体が歪むので
意外と簡単に接地してしまいます。
その点は教材としてどうかなと思います。
「1000脚の椅子」で提供する椅子は
仕掛品なので調整をするのが大変で
現実を知るための教材としては優れていると思います。
アジャスタの有り難さも痛感してもらえるでしょう。

ダンボールの実物大模型は
ボリュームとか部材同士の取り合いはわかりますが
仕口と接合強度については再現が難しいので
成果品が残っても良ければ
SPF製材などを活用した方が現実味があると思います。

以上の点から
リートフェルトさんの家具ならば
SPFを加工してビス止めでつくると
全体の製作時間はダンボールの半分以下で
しかも使えるものが完成する可能性があります。
今回のワークショップに参加された皆様も
同じ感想を持たれていました。

2mのテーブル天板を一枚のダンボールで積層をしたくて
2200x800のダンボール板を使ったので
切り出すにあたって両側から作業するには1枚あたりで
やはり2500x2000くらいのスペースは必要かと思います。
クムルス事務所の床6畳ほどを空けて床べたで作業をしました。
これは使われるダンボールの大きさに依存します。

またダンボールは反りますので
水平積みで重ねて湿度を吸わせない保管場所も必要です。

組み立てにはテーブルもしくは作業台があった方が楽ですね。

然るべきダンボールは固くて厚さもあるので
挟み込んである波紙の畝と平行に切る場合で3回
直交方向に切る場合は4回から5回カッターを入れます。
特に直交方向は刃が入り難くて
ついつい力を入れてしまうため定規から外れがちです。
長い定規をしっかりと押さえている左手の指先を切り易いです。
Lカッターですから深くしっかり切れます。

またダンボールの裏面(刃を入れた時の裏面)は
金属と同じで反り返りができます。
圧着するときに指先で角の位置を合わせながら
手のひらで中央から外へ向かって圧を加えて行くのですが
このときに紙の縁で手のひらを切ります。
ダンボールも紙ですし固いですからすっっぱりと切れます。
今回もざっくりやってしまいました。

今回のワークショップでは
基本的に刃物をつかって頂きませんでした。
組み立てキットの状態でのワークショップですから
ほぼ「のり付け」だけで完成します。
構造と構成を大きな模型で確認する経験に意味があって、
スチレンボードなどと違いダンボールで模型を作る技能自体は
あまり応用がきくものでありませんから。

今回使ったのは
 Lカッター
 カッター換刃
 折刃安全処理機
 1mと60cmくらいの金属定規
 スコヤ
 シャープペン
 速乾木工用ボンド(750mlチューブ)
 本・雑誌・カタログなど
このくらいです。
カッターの刃は頻繁に折らないと
ダンボールは綺麗に切れませんので大量に使います。
3枚から5枚の同じ形状の板を積層するので
綺麗に切れていないと寸法の整ったブロックになりません。
また樹脂のカッターマットよりも
ダンボールを下敷きにした方が刃先の持ちが良いです。
接着面積が狭い場合は強力両面テープの方が有効かもしれませんが
その場合は貼付けてからの調整が出来ませんのでどっちもどっちです。
接着剤の初期硬化時間に別の作業をするなど
段取りの訓練にもなると思います。
本などは接着部位の圧着重しにします。
カタログ類が好適で
細い部材に載せると光沢紙の滑りで形状のなじみが良いとか
角が柔らかいので圧のかかった部分かからない部分の境界が残らないとか。

ダンボールはリサイクル可能な素材です。
そう思って
最終日の終わりに会場内で解体をしました。
ダンボールをそれなりの大きさに梱包するには
テーブル天板などはカッターを入れて折ったりしなければなりません。
それをしながら
とても悲しかったのは正直なところです。

これらは模型ですから
模型としての役目を終えたら消えるのも機能のうちです。
ですが実物大の模型を壊すのは
実作を壊すのと全く同じ感覚を覚えます。
最短24時間で資源ゴミにしてしまった罪悪感とでも言いましょうか。
おそらく
ダンボールの家具が一般的になったとしても
恒久的なものではなく
一時的なものが殆どだろうと思います。
それはダンボールに対するイメージの問題でもありますし
仮にダンボールの表面を化粧するとして
紙以外の素材を使うと
こんどはリサイクルに出す場面で問題が起きてしまいます。

本当に望ましいリサイクルは
一度かたちになった家具が
いつまでも
いろいろな人の手元で使い続けられる事ではないでしょうか。
材料の耐久性も問われますし
補修して本来の構造強度を復活できる材料であること
いつまでも愛されるデザインであること
なども重要な意味を持つと思います。
保管出来ない家具を作らなくてはならない
という今回のハードルは究極の無駄のようにも思えます。
それでも
今回のワークショップと展示に何らかのかたちで参加された方が
それを越えるなにかを受け取って帰られたのならば
本望とでも言うべきでしょうか。
自分の中ではまだ結論は出せないでいます。



今回は成果品のその後の扱いに困らないよう
材料としてダンボールを選びました。
理由の一つは事後にリサイクルが可能で
しかもリサイクル率も高いことです。
ダンボールを製作して頂いた
山陰日段さんには
椅子の輸送箱を作って頂いている関係で
相談に乗って頂き
大きい板材を思った材質で作る事が出来ました。
業務の一環として展示会設営をしていた頃に
板材のダンボールで額縁とか輸送箱とかをひたすら作った経験も
おそらく大抵のものは積層して作れるだろう
という確信の一助になりました。
作業を初めてみれば
いろいろな事を
体が憶えてくれていました。
あの頃に教えて下さったTさんに感謝します。

日々つかっていける家具の材料として
ダンボールを選ぶ場合に一番の問題は
強度の出せる接合部分の開発ではないかと思いました。
ダンボールの山の方向を考えて積層すると
意外なほどに強い面材をつくることが出来るのはわかりました。
積層したブロックとしての椅子ならば座れそうですが
特に垂直部品と水平部品を組み合わせた
通常の椅子と比べて違和感の少ない椅子をつくろうとした場合に
その接合部分の強度が
座れる・座れないを左右しているとよく分かりました。
またダンボールの表面同士を接着しても
実際の強度は表の平紙と裏の波紙の接着強度に依存するのにも気がつきました。
そういった要素も含めて
実用できる家具をつくるには
ダンボールのための仕口を考えることを
要求されると考えます。
また、おなじ大きさならば
殆どの場合は木よりも軽く作ることが出来そうなのも
ダンボール家具の有益な点ですね。
2mのテーブルも片手で持ち上がりましたよ。


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そうてんせいうん

Author:そうてんせいうん
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ご連絡はweb mailでどうぞ: http://form1.fc2.com/form/?id=434253

[準備中]
・「SUOMI CHAIRS」

<プロジェクトのリスト>
「イルマリ・タピオヴァーラ椅子展」 @Style shop. 2005.05.21-06.12
日本国内では見る機会のない作品を含めて全部で25点ほどを展示。

「ヨーロ・クッカプーロと柳原敏彦」 @GREEN WOODS 2005.11.12-13
クッカプーロさんの主要作品20点と柳原敏彦さんの木家具による構成。違う素材なのにデザインの根本で調和しているという妙。

「スオミと足塚由江」 @昭和堂 2006.06.23-25
フィンランドの家具と足塚由江さんのうつわでカフェをしました。

「米来留 いまはもういない」 @夏コミケット 2006.08.12発行
建築家ヴォーリズの失われてしまった作品を追い続けたドキュメント写真集。

「一脚の椅子 フィンユール」 @GREEN WOODS 2006.08.19-20
そこにあるだけで周りの空間を変える力を持つ椅子とは。

「カモナマイオフィス」 @某建て売り住宅 2006.09.16-18
「第二事業部の事務所が新築の住宅に移転する」 としたら?引っ越し系インスタレーション。

「1000脚の椅子」
工場の倉庫に眠る約1000脚の未完成の椅子を教材として活用しようという企画。
派生企画:智頭農林高校 学習成果展示 / 島根女子短大 Re:Chair展
 
「北欧の椅子と家具展」 @SOUKA-草花- 2006.12.08-11
古いビルのレストアされたペントハウスに北欧家具でLDを構築するインスタレーション。

「リートフェルトをつくって」 @SOUKA-草花- 2007.06.22-25
Rietveldさんの家具をダンボールで実寸模型に再現するワークショップ。

「机の帰還 」 @glass Onion 2007.07.19~
廃棄される学校机を店舗什器に再生する試み。

「シュレーディンガーの椅子 」 @Store Room 2007.09.07~
学校のようなお店に学校の椅子を納める。

「いまはもういない、のこと」 @夏コミケット 2007.08.19発行
ヴォーリズ建築の取材過程を記録したテキスト。

「キャンの岬はどっちですか。」@souka 07.11.17-18
「祈りの椅子」のプロトタイプに座ってみる。

「そしていまはもういない予告編」 @冬コミケット 2007.12.29

「そして、いまはもういない。」 @夏コミケット 2008.08.17
ヴォーリズ建築で失われて痕跡の儚いもの達。

「一脚の椅子 イルマリ・タピオヴァーラ」@「淀江の家」グラムデザイン 2008.10.04-05
ピルッカスツールを展示。

「いまはもういない、祈り」@冬コミケット 2008.12.30
キリスト教関係のヴォーリズ建築で知られざるもの達。

「古い家を借りて自分で直したら大きな黒板のある家ができた。ワタシの(^^)」@黒板亭 2008.03.--2009.04
廃屋寸前の賃貸住宅を順調に時を経たかのようにレストア。

「蒼天青雲 in 関西」@そうさく畑63 2009.04.05
既刊を関西地区で初配布。 山Dさんもお誘いして。

「ヴォーリズさんを探しに行った日々について」 2009.=
蒼天青雲にとっての「建築の保存」について話す。

「旧豊郷小学校写真集」@夏コミケット 2009.08.16
豊郷小学校=桜ヶ丘高校という繋がりと広がり。

ヴォーリズ建築文化全国ネットワーク第3回全国大会@近江八幡 2009.10.11
ヴォーリズファンしか居ない場によばれてヴォーリズさんの写真集を配布。

「みどりのはら」「近代残像 函館」「近代残像 長崎」@冬コミケット 2009.12.30
阿佐ヶ谷住宅へのオマージュ。函館と長崎、北と南の洋館が並ぶ港街。

「近代残像 京都」@コミティア92 2010.05.04
前世紀末の京都の町中における近代建築を紹介。

「米子市公会堂」 2010.07.15 +コミケット78
山陰に置かれた村野藤吾さんのグランドピアノについて。

「近代残像 神戸」@コミケット78 2010.08.15
神戸にある近代建築の様々な残り方と消え方。

「近代残像 湘南・箱根」@コミケット79 2010.12.31
太平洋に面して残る関東地方を取り巻いていた別荘地帯の痕跡。

「さくらはさく」@コミティア96 2011.05.05
千葉県浦安市の埋め立て地に咲く桜の花。

「マーリをつくって」@米子高等工業専門学校 2011.07.21
ダンボールで実物x0.8スケールの家具模型をつくる実習授業。

「近代残像 横浜」@コミケット80 2011.08.14
横浜で暮らした日々における近代建築との交わり。

「きらめけ!公会堂」@米子市公会堂 2011.10.21-23
写真集「米子市公会堂」を元にwebと連動したインスタレーションを実施。

「SUOMI CHAIR DESIGN 01. Alvar Aalto」 @コミティア98 2011.10.30
フィンランドの椅子デザインについて。

[以降、続いています


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