上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


この2ヶ月、椅子と対峙するために出かける機会が多かったです。
山陰両県の学校へ椅子を届けた翌週末は「デザイナーズ・ウイーク・イン・名古屋」に行きました。
まずは『The Chairs』さん。
リンクを辿っていただくと分かりますが、恐るべし。
椅子屋 杉田さんのブログ「椅子がすき」で製作状況を連載されていた「Berry」に座ってみたくて。
椅子修理の職人さんがつくる椅子ってどんなモノだと思いますか?
その後、杉田さんからご紹介頂いた名古屋芸術大学の展示へ移動。
「Re:DESIGN」
これは使われなくなった学校用のスチール椅子と机をリデザインして元の学校へ戻して使ってもらう、というプロジェクト。
今回展示されていたのは公共施設のカフェのために製作されたモノでしたけれど。
さすがに芸術大学には金属加工の機材も完備しているそうで、スチールパイプのフレームも自在に加工されて
3連ロッキングチアーに、ラヴソファーに、スツールに、卓袱台に、ステーショナリーケースに、、、
再生されていました。
指導された平田教授と荒木講師ともお話をすることが出来ました。
このプロジェクトの経緯とか今後とか、ウチの「1000脚の椅子」の考え方は様々な方面で応用可能だとか、そんな話をずいぶん長くしました。
成果品の気持ちよさも手伝って、もしかするとこんな時代の流れがあるのかも知れない、そんな気分を味わいました。

その10日後には東京デザイナーズウイークと同時期開催の各種企画を見るために東京へ。
どこへ行っても椅子・椅子・椅子。
学生展には製品になりそうな椅子も数点ありました。
ですがプロダクト展示とプロ展示は目新しいモノがあまりありませんでした。
中古家具を扱う方々が「なにを仕入れて良いかわからない」と仰るほど流れの見えない現状をそのまま表しているかのようです。
気になったのはセレクトショップに行くと、決まって真っ白な壁の前に真っ黒なイルマリ・タピオヴァーラさんのファネットが置いてあったこと。
実際に中古市場でも右から左へといった状況だそうです。
確かにイルマリさんの木椅子の中では軽くて座り心地も良好なのですが、人気の理由はそこにはないように見えました。
フィンランド・カフェはアアルトさん一色というかアルテックのショールームでお茶を出してもらっちゃったみたいな感じでした。
コの字に組んだテーブルにセットしてあったのはフィンランドで最も親しまれているアアルトの椅子No.69でした。
シボネではピート・ヘイン・イークさんご本人を発見。
大きな手のひら、太い指と澄んだ目が印象的でした。
スタッフの方にピートさんの運営している工場は20人ほどの職人さんを抱えていて一般の内装家具とリサイクル家具の両方を手がけているとか、写真集をめくりながら色々とお話を聞かせて頂きました。
で、今回の東京で手元に置きたいなあぁぁと思った椅子はコレです。
DCP_3079.jpg

ヴィコ・マジストレッティさんのBASKETロッカーベースです。
この椅子のベースはロッカーに限ります。
絶妙の包まれ感とアーム位置、座面の深さが印象的な一脚。
メーカーがDE PADOVAですから布張り仕様で30万円弱は仕方ないところでしょうか。
買 え ま せ ん ね、ええ。

そして数日前、倉敷へ。
朝日新聞社主催の「暮らしの中の木の椅子展」入選作品を街中に展示するという試みをされています。
約90脚を6カ所に分けて置いてありました。
一番良い印象だったのは中島英明さんの「YS-002 Tea chair」です。
写真ではERCOL製品かイルマリさんかという感じですが実物はしっかりとしたヴォリュームの材から削りだした座板が印象的です。
座った瞬間に腰が自然に納まるのに驚きました。
とにかく座り心地の良い椅子でした。
これも製品化されるのでしたら手元に置きたいですね。
入選作品を見ていていて共通していると思ったこと。
・北欧、特にデンマークの椅子を勉強した形跡が見られること。
 最優秀賞の鶴崎さんは反北欧デザインの提案だと仰るが
 グンナー・アンデルセンさんの薄板サイドチアーのリデザインとして判断されたであろうし
 おそらく最大の評価点は材料の改良と生産性の向上だと思われる。
・軽いことと持ち上げたときの重心位置の良さも評価の対象になっている気がする。
 日常生活の中では重要な性能ですよ、これは。
・積層材、集成材の活用。
 手作り椅子は「木」でなければ、といった考え方に対して
 所謂合板などの「新しい木」と真面目に対峙することを求めているように見えましたね。
 その性能の生かし方とか。
・指物的な要素の取り込み。
 もしかすると手仕事の痕跡を求められているのかも。
・実物にはそれほどの技巧・技能は要求していない。
 指物的な要素と相反するけれど、実際に優秀作品の裏側を見ると
 「えええええっっっ」という仕上がりだったりしました。
 それぞれの成果品に対して評価した点が違う、ということかも知れませんが。
今回の展示方法で効果的だったのは、やはり町屋の中に展示してあって座ることが出来るという点でしょうね。
この椅子と暮らしていけるかを測る、そんな感じでした。
本町の飾らないけれどちゃんと維持された町並みのなかで展示しようと思いついた仕掛け人さんは偉いです。
しかも市井の企画で実行予算をパンフレット売り上げで賄おうとしていて、すでに来年の春の企画も予告してしまうという潔い姿勢も凄いところ。
倉敷の街のもつ力を知り尽くした企画ですね。「暮らし木」展

COMMENT FORM

Display is administrator only

 

RECENT ENTRYS

カテゴリー

このブログを検索

RSSフィード

プロフィール

そうてんせいうん

Author:そうてんせいうん
I...I didn't do it for you ok?!

ご連絡はweb mailでどうぞ: http://form1.fc2.com/form/?id=434253

[準備中]
・「SUOMI CHAIRS」

<プロジェクトのリスト>
「イルマリ・タピオヴァーラ椅子展」 @Style shop. 2005.05.21-06.12
日本国内では見る機会のない作品を含めて全部で25点ほどを展示。

「ヨーロ・クッカプーロと柳原敏彦」 @GREEN WOODS 2005.11.12-13
クッカプーロさんの主要作品20点と柳原敏彦さんの木家具による構成。違う素材なのにデザインの根本で調和しているという妙。

「スオミと足塚由江」 @昭和堂 2006.06.23-25
フィンランドの家具と足塚由江さんのうつわでカフェをしました。

「米来留 いまはもういない」 @夏コミケット 2006.08.12発行
建築家ヴォーリズの失われてしまった作品を追い続けたドキュメント写真集。

「一脚の椅子 フィンユール」 @GREEN WOODS 2006.08.19-20
そこにあるだけで周りの空間を変える力を持つ椅子とは。

「カモナマイオフィス」 @某建て売り住宅 2006.09.16-18
「第二事業部の事務所が新築の住宅に移転する」 としたら?引っ越し系インスタレーション。

「1000脚の椅子」
工場の倉庫に眠る約1000脚の未完成の椅子を教材として活用しようという企画。
派生企画:智頭農林高校 学習成果展示 / 島根女子短大 Re:Chair展
 
「北欧の椅子と家具展」 @SOUKA-草花- 2006.12.08-11
古いビルのレストアされたペントハウスに北欧家具でLDを構築するインスタレーション。

「リートフェルトをつくって」 @SOUKA-草花- 2007.06.22-25
Rietveldさんの家具をダンボールで実寸模型に再現するワークショップ。

「机の帰還 」 @glass Onion 2007.07.19~
廃棄される学校机を店舗什器に再生する試み。

「シュレーディンガーの椅子 」 @Store Room 2007.09.07~
学校のようなお店に学校の椅子を納める。

「いまはもういない、のこと」 @夏コミケット 2007.08.19発行
ヴォーリズ建築の取材過程を記録したテキスト。

「キャンの岬はどっちですか。」@souka 07.11.17-18
「祈りの椅子」のプロトタイプに座ってみる。

「そしていまはもういない予告編」 @冬コミケット 2007.12.29

「そして、いまはもういない。」 @夏コミケット 2008.08.17
ヴォーリズ建築で失われて痕跡の儚いもの達。

「一脚の椅子 イルマリ・タピオヴァーラ」@「淀江の家」グラムデザイン 2008.10.04-05
ピルッカスツールを展示。

「いまはもういない、祈り」@冬コミケット 2008.12.30
キリスト教関係のヴォーリズ建築で知られざるもの達。

「古い家を借りて自分で直したら大きな黒板のある家ができた。ワタシの(^^)」@黒板亭 2008.03.--2009.04
廃屋寸前の賃貸住宅を順調に時を経たかのようにレストア。

「蒼天青雲 in 関西」@そうさく畑63 2009.04.05
既刊を関西地区で初配布。 山Dさんもお誘いして。

「ヴォーリズさんを探しに行った日々について」 2009.=
蒼天青雲にとっての「建築の保存」について話す。

「旧豊郷小学校写真集」@夏コミケット 2009.08.16
豊郷小学校=桜ヶ丘高校という繋がりと広がり。

ヴォーリズ建築文化全国ネットワーク第3回全国大会@近江八幡 2009.10.11
ヴォーリズファンしか居ない場によばれてヴォーリズさんの写真集を配布。

「みどりのはら」「近代残像 函館」「近代残像 長崎」@冬コミケット 2009.12.30
阿佐ヶ谷住宅へのオマージュ。函館と長崎、北と南の洋館が並ぶ港街。

「近代残像 京都」@コミティア92 2010.05.04
前世紀末の京都の町中における近代建築を紹介。

「米子市公会堂」 2010.07.15 +コミケット78
山陰に置かれた村野藤吾さんのグランドピアノについて。

「近代残像 神戸」@コミケット78 2010.08.15
神戸にある近代建築の様々な残り方と消え方。

「近代残像 湘南・箱根」@コミケット79 2010.12.31
太平洋に面して残る関東地方を取り巻いていた別荘地帯の痕跡。

「さくらはさく」@コミティア96 2011.05.05
千葉県浦安市の埋め立て地に咲く桜の花。

「マーリをつくって」@米子高等工業専門学校 2011.07.21
ダンボールで実物x0.8スケールの家具模型をつくる実習授業。

「近代残像 横浜」@コミケット80 2011.08.14
横浜で暮らした日々における近代建築との交わり。

「きらめけ!公会堂」@米子市公会堂 2011.10.21-23
写真集「米子市公会堂」を元にwebと連動したインスタレーションを実施。

「SUOMI CHAIR DESIGN 01. Alvar Aalto」 @コミティア98 2011.10.30
フィンランドの椅子デザインについて。

[以降、続いています


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。