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白いね、白い良さそうな壁があるんですよ。
偶然なんですけどね
白い壁が似合う椅子があるんですよ、もうしばらく、なんですけど。
というわけで一昨日早朝決定しました。
蒼天青雲 緊急企画
「一脚の椅子 イルマリ・タピオヴァーラ」
展示状況>ではなくてウチの事務所で撮影した参考写真

ピルッカスツールとかサウナスツールとか呼ばれている椅子です。
ご覧いただくのは製造されてから50年ほどが経っていると推察されるLaukaan Puu製です。
今回の個体は透明感のある厚いワインレッドの塗装、座面の角部分の面取りがなだらか、という初期の特徴を持っています。しかもノンレストアの美品です。
よくみかける薄い茶色の塗装で角張っている個体は製造が新しく、並べると雰囲気が違います。
イルマリさんが、フィンランドの伝統的な家具をリデザインしたプロダクトです。この座面は集成材で、ふたつに分かれているのは単に見た目のおもしろさではなくて、工場で生産する部品としての歩留まりを考慮しています。未組立の状態で小さく梱包して輸送が可能な量産プロダクトでもあります。
イルマリ・タピオヴァーラという人はピルッカとファネットで「かわいい」と人気です。フィンランドでも一家にひとつはタピオヴァラさんのプロダクトがあると言われるほど親しまれ、フィンランドの人なら誰でも知っている家具設計者のひとりです。
でもそれだけではなく、第二次世界大中そして戦後の物資が手に入りにくい状況のフィンランドで如何に効率よくプロダクトを作るかに苦心しました。大型の成形合板とか金属などの材料が再び使えるようになると如何にこれまでと同じ機能のプロダクトを更に効率的に製造するか、など生産課題を美的要素と機能を犠牲にせずに成し遂げました。そんな本物のプロダクトデザイナーとしての側面が大きいです。
ちなみにフィンランドにおける家具デザインの御三家といえばアルバ・アアルト、イルマリ・タピオヴァーラ、そしてヨーロ・クッカプロです。彼らは師弟関係で繋がっています。
是非ご覧下さいませ。
資料シートをつけてお預けしていますのでご参考に(スペイン語に英文訳付)